<812>「皮膚の端、言葉の端」

 あなたが皮膚の年を生きた、として・・・。

 それは、きれい。

 それぞれに生きた年があるとして、だが・・・。

 明らかに前に、私を生きて、剥がれたが故に、嘘も壊れて、暇があれば泣いている。嘘がくれば泣いている。

 途中に、掘り、めでたい格好からはいざ。こころなしか喉のなかにいつもの線が引っ張られる。

 きっかけは私を線にした。

 線は白い。線は薄い。

 吐き出したもの、ところでその、地面の言い分は何だろう。この場所に置かれましては、

  とか

 例えば必要なだけ固くなっているのだ、などという話は出てこず、思わぬタイミングで(本当は、思わぬタイミングでもないのだが)、変容、また、その動きが少し、速くなり、急なことでも特に反応はない、とでも言いたげ。

 泣く泣く私を見つめるのをやめなければ・・・。

 形のなかで嬉しさ。形のなかに恥じらい。

 道理もなく、斜め上を見つめて、中心部分を曝している。彼の目には色づき、彼はおそらく太陽の話をする。太陽を話しかける。

 言葉の端に、太陽がぶら下がっていて、そのままトケテ切れてしまった。色事はトケテ切れてしまった。

 いいかい決して、ね? 決して、私はあんな離れたところから来た訳ではないんだ。何層にも重なっていりゃそのことはよく分かる。分かったらとっとと土の中へでも気まぐれに顔を突っ込み、あたたかさに返してああでもないこうでもないとぶつくさ言ってみればよい。私もどこか遠いところで、これは寒いと考えて、試しに震えてみたことがあるから分かる。いつでもデキてる。