<864>「秘密のない歩行者」

 誰が、ここでは言葉なのだろう・・・。

 あるいは無数に、巡りともよく、まるで層から、綺麗に弾(はじ)き出されてきた・・・。

 例えば私が声と願ったもの。私は瞬間に似ているだけだった・・・。

 多くを、おそらくは、限られた笑みの内側、に近づき、遥か以前のためらい、をそのままに映す、とき、の、きたい・・・。

 言語は無数になった。無数にあるものは、私にとって言語ではなかった。それは、厳しい表情で、訳もなく立場を限定していた。それには音(おと)しかあり得なかった。

 誰かのために、冷や汗をかいていた。ふいに時間のことが気になってきたり、も、していた。

 わく、(わく・・・)、わく、ト、揺れる。それから先へ、ただ訪問先へ、無表情で着く。不思議そうな声が、かどを見つけては割れている。

 「この人には秘すべきものがなにもないのだった・・・」

 そこで、時間の多くを微笑んでいた。惑いがあるいは行動指針にもなる、と、する・・・と、歩行者の時間をさらに、さらに延長することになる。

 例えば歩行者は現実の感覚を隠してい・・・、すぐさま、惑いによって暴露することで、ぎこぎこと、にぎやかな音を立てながら流れていた。

 あなたは以前、歩行者でないことがあった。それは冗談とも思えたが、過去はなるほどやたらに落ち着いたり、忙しそうにしていた。