<868>「数えが騒ぐ間」

 以前の、静かな名前、になったことが、私をしてほんの小ささへ、戻そうとする、と、ひらく手や手、ひとマを過(よ)ぎる、場面の完成されたぎこちなさ、や、探す手つき。およそ、一対一関係の、際限のない増え方に、人(ひと)は人(ひと)なりの声で、あろうことかひと声で通(かよ)ってしまおうとする(ふたりともわたしの・・・)。

 なにの声のマに知られぬ身振りや手振りが挟まっている、と言わば、新しい数えはひらく。

 よほど、うと、遠くへ、しかし場所性の(あるいはどこまでも遠くへゆくことの)、いかがわしさへ、ある荒い呼吸とともに立っている、と、人(ひと)に次ぐ人(ひと)、生々しィ・・・ト、おそらくけわいが途方もなく立ち上がってくるのが見える・・・。

 およそまた垂らし「ム」、ひとつの足に目を移せ・・・。わたしはひとつの影に対する透明な言葉を知らないで、好き勝手にたわんでいる。

 言(こと)の不可能が、顔に出てしまうと・・・。通り過ぎる人・人の、使い古された層のなかへ、入ってしまう。どんな顔をもて、入ったらよいか分からない。どぎまぎするのデ、あわいは層の方(ほう)とて、同じところだ。

 意、人(びと)、無遠慮の清涼な、はては訳(わけ)のない噛み合わなさに、ひどく身(ミ)を寄せたは、裸(はだか)。手の傍らで弁明を放棄したひと。ひとつの笑み。

 途中で、他人(ひと)の記憶に蹴躓き、がらんどうの構えを持ち合わすことの、立ち、得(ウ)、長さ。おそれにもまた歩みがあり、バランスがあるというところで、の、苦虫、と徒歩。