<872>「だれにきくのだ」

 パッ、と陰に隠れた。私は言葉なのか、という疑問を持ってその跡をゆっくりとついていったように思う。

 誰も宣言していないではないか、という事実にゆっくりと気がつくのはなにだ。わたしはなにだ。

 問うな、行動であれ、あえて摩耗を目指して飛び込むのは破壊的行いではないのか。

 自分というものを壊してしまいたい、ならば、言葉はおかしいが、もっともっと健やかな仕方があるのではないか。わたしはどこに棲む・・・。

 おうかがいを立てねば私は行動を許されぬ、とハナから思ってしまっているのはなにだ。誰が宣言をしている(しているのか・・・?)。

 暴れ場(バ)に暴れ込むことをけっしてよしとは思わぬ、が、あなた(つまりは私)が下手だというところからもう一度静かに動き出してみたらどうか。

 あなたは生き物だ。(行)ユキモノだヨキモノだ。ゆくときはゆき、パッと逃げるときは、逃げねばならぬ。

 「逃げるのか!」

 と大声で問われ、止まるのが吉か、止まらぬのが吉か、それは誰にも分からない。誰にも分からないという事実(そう事実!)がこわい。私は行動の脈を見ている。

 誰かに許可を貰わなければならない、と、思っているところに、私の課題がある。また、いちいち弁明や言い訳をして回らなければならないと思っているところに。

 何より、健やかであることこそ、唯一の大切なことではないのか。下手な人として(それは事実? 社会?)、よく考えてみよう。