<965>「鐘を呑み込む」

 嚥下・・・、

 隙間風、、

 丸みを帯び、

 わたしが聞いた、

 それは何故、それは何故、

 真新しい響き、ただの押し寄せ、、

 さらうさらう、み、掬う、わたしは一音(いちおん)、

 一音(いちおん)ぼかし、彼方の音(ね)のリズム、またはたいら、

 ゴゥン、ゴゥン、ゴゥン・・・、ト、、わたしは鐘に紛れ、

 鐘を誘い、招び込まれ、ひとりでに飛翔する、ただのくちばし、

 羽音にとびあがる、起立起床と、たくましいわが子どもら、

 ムクドリは、鐘であった日々を、今ここで忙しくなく鳴らしている。

 あなたが互いの表情に、その輪(わ)、広がりを見るごとく、

 鐘は移らいだ、ただあなたの感慨を目掛けて、

 あくまで飛行をその柔らかな毛の中に包み、、

 わたしはゆく、、あらたかな巣のなかで音(おと)は過ぐ、

 揺れィ、揺れィ、揺れィ、おおらかなくちばし、

 くつろいだゆきさき、二色、三色の用意の空(そら)、

 はやのみこみ、はやのみこみ、そのさきで、

 華麗、華麗、ときおり挟む、、

 あるいはくわえ込む、

 わたしの手のひら、

 あなたつまみ、

 通過・・・、