<984>「跳躍と泡」

 はなって

 ただ軽く

 はらって

 はらってよ

 ままならないものに、、

 ひとつの細かな震動、、

 あたしをたくましく、ひとくち、ふたくちと加えてゆくもの、、

 潜る、 それはもう 突然に潜っている、、

 なるほどわたしにはいまひとつ分からないこと、、

 そのさわぎ、、

 そのはやしかた、、 

 なんと派手なわたしの跳躍と回転だこと、、

 ものすごい悲鳴 それはそれはもう悲鳴そのものの、、

 逆に振れてひとに次ぐひとが落着いてしまうような、、

 そのものすごさと、泡立ちの不気味さ、、

 そこへひとがいかばかりか指を染(そ)まし、ひとつずつでも開いてゆく、、

 泡立ちのなかにそれとなく開かれる瞳、、

 なんともぬらりとした輝き、、

 あなたの染(そ)ました指が次々にものの自信を失ってゆく、

 あわただしい輝きのなかに据えてじっと動かない、、

 くり抜く意図のないものにくり抜かれてしまった裸体の驚くべき静けさ、

 ことはここにないのじゃないのかしら・・・とつぶやく、

 そこにウんでゆく、、

 あらたな光を懐へ静かに染(し)み込ましている・・・、