<1069>「名前と恥じらいがない」

 恥じらい

 名乗るほどのことではなく、、

 恥じらうので、、名乗るものがなく

 名前もなく、

 歌もない それから大声も、

 余分な倦怠もなく

 さわやかさもない

 過ぎていない 過ぎていない

 わたしはここにいるだなどと思うことがない

 ふるえていない

 巧みさがない はだかでもない

 誰彼構わず否定すればいいというわけではない

 朝がない 夕(ゆう)もない

 まるで ぼんやりとした疑義が、

 疑義とぼんやりとした気持ちがあり、

 わたしには人生などと大きく出られても分からないところがあり、

 喉が痛く 外は暑い

 まだなにかしらは残っているというイメージの仕方もなく、

 日毎に新しくなってゆくとも思えない、

 少しだけ新聞を読んでいる、

 少しだけ新聞を読んだあとにコーヒーをのんでいる、

 実は牛乳がないのでコーヒーをのんでいない、

 喉が痛いので少しばかり驚いている、、

 眠りが必要でもないのに寝てしまいたいと思っている、

 不貞腐れるようにすればよく寝られる

 ゆうべはぐっすり? ね? ね? いかかでござあましょ、

 とか、、

 そんなことなどはしらない、、

 自分が恥ずかしくないのか、という言葉がよく分からない、、

 わたしは恥ずかしい状態を経たことはある、それを思い出すこともある、

 しかし自分が恥ずかしいというのは一体なにだ?

 一番恥ずかしいこととはなにだ?

 よく分からない、、ひとの動きそのどれもが恥ずかしいのだから、、

 恥ずかしいものがなくなったら味もなにもないのだから、、

 無味乾燥なのだから、、

 乾燥すれば喉が痛いのだから、、

 わたしは恥ずかしくないことよりも喉が痛くないことを好む、、

 そして家に牛乳のストックがあることを好む

 好ましい香りのコーヒーを好む

 新聞を少しだけのぞいてみる、、

 はれんちが灰色でごまかされている、、

 すけべなページの方がよっぽど清々しいではないか、

 ビッカビカのカラーページに、、

 すけべが詰め込まれているページの方が、、

 そうするとしかしコーヒーはのまない、むろんお茶もにあわない、

 ビールか? ビールは炭酸だから嫌いだ、

 安もののオレンジジュースとか、、

 つぶつぶのオレンジピールの入ったオレンジジュース、バカでかい缶のやつを飲みたい