<1182>「金色を掬う」

 何を張っているのだ。

 あらかた過ぎるに違いないこと、

 何を張っているのだ、

 奥の、奥で、結び、

 見えるもの、

 過ぎた、過ぎた、

 見えるものの時間は過ぎた。

 これは歩にしよう、これもまた歩にしよう、

 いとまもなくまた熱量、、

 跳ね上がる、

 回転盤へ静かに乗った、

 目が回る、

 音もなく震えている、

 影だ、影だ、影だ、

 影だけが見える、、

 途切る、途切る、

 おそろしくぼんやりのびる空間、

 わたしだけがぼんやりしている、

 外はどこだ、

 外は、

 

 まもあらず記憶が透明になり、

 動く、動く、

 誰が動く、

 かくわたしの長い言葉え、

 順序よく寝そべ、り、

 わずかに呼吸、いとまを持ち、

 流る、流る、、

 一切 たぎれ、

 一切、

 

 窓からほうっていろ、

 自由に、自由を知らず、

 前進、前後、ほうけて、、

 よく澄んだあと、聞ける、

 こぼれろ、こぼれて、

 知らんあと、歩く、

 投げる、

 一切ただ漠と確かめる、

 ぐらぐら揺れたまま、

 かどへ、かどへもたれ、

 息を足せ、息を足せ、

 あなたが外を目指せ、

 コンジキのひとすくい、

 顔が映る、

 徐に割れてゆくさま、

 ああ、ああ、

 悲しい響き、

 それがどこまでもどこまでも長く、遠く、

 遠景、一切がただ分かれ、分かれて、

 誰にこれを置いたらよいか分からなくて、

 影に、ただ影をしまい、

 流れ、流れ、

 日を蓄えたままでいる・・・。