<1188>「記憶より長くなる」

 おお、そうです。

 眩しいんですね、、

 ここへ渡る時はずっと、

 ここへ乱れる時はずっと、手が見えにくいんです、

 尋常な視線が引っかかっているんです、、

 うつろな声となれと、

 ものはもので遠くまで映れと、

 あれで等しく語りかけるでしょう?

 不思議な気持ちがいたしました、、

 よく見えていますよ、

 しかしオマエさんはどうも、

 何故長い時間に、

 ここまでの身体を、

 分からないことですネ、

 現象をただうつろに追えと、

 ただロウが垂れるのを長く長く見ておれば、

 そこにわずかな線が、

 しかし、いくつか、いくつか連なって、

 その奥、うち、笑みを映して、

 わたしは訳も分からずに拡大しました、

 身体が打つのに任せて、

 長い時間に任せて、、

 

 おお、おお、

 そうですね、

 こんな、よく照るなかえ、ようこそ、

 あなたが入りました、

 無数の線を抜けて、

 その表情の跡がわたしにも見え始めていました、

 ともっていました、

 声が空気を、探り探り打ちました、

 わたしは目をアけていましたよ、

 その長い呼吸がきこえるでしょう、

 遠くの方に、僅かに探ったままでしょう、

 ほら、ほら、

 よく照っているんです、

 全身より長くなりなさい、

 記憶より、嘘より、、

 尋常の速さで、

 コツコツと打つ音が聴こえるでしょう?

 ただの運動が、

 誰かしら、身体が、

 全身が浮かんでいるでしょう、

 

 まだらに生きていて、

 ひとつの身振りが濃くなり、

 現象は柔らかくそこに留まっていました。

 今や、わたしも踊り出しています、

 行列をなしてゆきます、

 未明の姿へ、

 でなければ、はばたくふりで、

 全身を、

 揺り、揺り、

 見事に褪せた動きを含んでゆきます・・・