<1192>「煙の快哉」

 私にはこんなぼんやりした煙が刺さっているんだ、

 誰が拵え上げたんだ、、

 目が回っていやがる、

 身体が辺りへこぼれたがりやがる、、

 どうだって言うんだ、

 素晴らしく吸い込んでるじゃあないのか、

 私もこんな狂った香りのなかに踊ってみたい、

 よろめきを歌っていたい、

 煙の快哉が聞こえる場所で、

 辺り一面のほうけた空気の真ん‐マ‐なかで、

 長い時間に、

 あるいは別の名を、

 新しく紛れ込んでるじゃあないか、

 私がどこから鳴っているか分からないぐらいで、

 おい、そこの、

 かぐわしい、

 響きに紛れ込んでる、

 響きに紛れ込んでいるのは誰かしら?

 よく目覚めているのは、

 長く声が通うのは、、

 お前の緊張したおもてに、

 全てが煙って、、

 

 果たして香りのなかに映っているのはどうかなあ?

 こうやって少し、浮かべるように吐いて、

 潜って、、

 緊張した夢の平らな線に浮かんで、

 辺りをぼんやり過ぎたらどうだろう?

 あれは煙だったのかな、

 どうかな、

 この暖気を、

 薄闇のなかにつぶれた言葉を、

 たった一秒咥え直したのだから、、

 私はまたこの曖昧な日を再開するんだった、

 曖昧な気配を、

 浮かれ過ぎて退屈しかおもてにならない日々を、

 その、

 退屈が高じた水色の靴底で、

 静かに眠ったまま踏みつけて、

 私は本当に嬉しくて、このまま、時間と一緒に無表情になれる、

 無表情にだってなれる、、

 辺り一面の煙の騒ぎのなかで、

 身体を底にして・・・

 

 私にはこんなぼんやりした煙が刺さっているんだ、

 知らん振りで、

 いかがわしい匂いを吸って、

 長い時間焼かれて、

 とんでもない通路を来たんだ、

 誰かがゆっくりとさわれば、

 そしてまた日が過ぎれば、

 止まない、

 新しい温度は止まない、

 ただの吐いた空気、

 ただの身体のなか、