<1198>「男は燃える」

 当たり前のようにそれは踊る一日のなかにあり、

 男は燃えていて、

 瞬間のなかに何度もひらめくのが勿体ないぐらいではあった、

 こうして一日は作られていた、、

 語らいの中心にステップが次々と現れる、

 明らかにされうることはなにひとつなくただぼんやりと明るく揺れる方角を眺めている、

 男は考え事をしているようでもあり、退屈を、これよりこれよりずっと煮詰めて濃くしてゆけばもうさすがに身振りとなるより仕方なかろうというところまで来るのだと、

 優しい顔をしているようだと思ったが、

 愉快な服装の中にあると思ったが、

 陰には何度も新しい呼吸が映っていた、

 

 ぼくは回る、

 ぼくは回る、

 当たり前のように接触しながら、

 きっと こんなに運ばれて、

 あんまり退屈が美しくなりながら、

 あちこちへ跳ぶ、

 時間とともにどこかへ駆けていて、

 回る、

 回る、

 跳ねた日のなかへ僅かに新しい姿を見せて参加している、

 頻繁になる、、

 

 きっとこれも尋常そうだ、、

 きっとこれも何かに似ていなくはない、

 僅かに動揺を見せたまま踊っている、、

 これは西方なのか、

 これは送られた一日なのだろうか、

 放埓、放埓、歓喜の先なのだろうか、

 今や手探りをしながら方々から出てくる、

 ざわざわとしながら一日に集まっている、、

 これからのことをよく目にしていたいと思って、

 私に充分なだけ、別々の踊りが生えていることを願って、

 

 あのカドを向けて一斉に行きだした、

 どやどやとした、

 そわそわとした、、

 それでこのなかにあるひとつの印象が燃えていた、

 印象が燃えていた、

 誰もそのことは口に出さなかったが、

 確かにそれはいつもよりよく見えた、

 あのカドを曲がるとぼんやりとした動きが見える、

 川が流れている、

 期待した方向に期待した姿で流れている、

 歩行の隙間にこんなものが溢れていた、

 こんなものが転がっていると知った、

 もぐもぐとした、

 平らな道の上で、

 やはり手を開き、

 やはり小さな粒の上で踊っている、

 新しくほうけてこの眺めを思い、

 われを忘れて、

 いてみることにした、