<1249>「裸体の軽さ」

 慌てふためいて通りをふたりの人がゆく、

 時間意識はばらばらにほどけたり、急速にひとつのものになったりしているようだ、、

 誰がこの道を用意されていたことを知るだろう、、

 分かたれていたと考えていたのはひとりの意識だろう、、

 道から水が伝わり、、身体から道へ、粘着質のものがそれらしくシツコク流れ続けている、、

 どうだ、、 これではまるで垂れ流したものによって道を把握するみたいではないか、、

 シツコサは悪の性質でアルトイウコトハ善的な性質である、、

 しかし、その善ナク的なセーシツをハナレ、(ハナタレテ・・・)

 ただもうそこいらに散らばり淀むヌラヌラとしたものの動きだけにフォーカスしてゆく、

 

 微細、微細、微細だ、きわめて・・・(何としょう・・・)、

 かんまん、かんまん、

 ふたりは呼吸がばらばらであり回数を重ねるにつれそのどちらとも言えないリズムのなかに折り畳まれてゆく、

 身体中がその呼気の生き方に折り畳まれてゆく、

 身体中が果たして起き上がる、、

 起き上がって裸体性にさらされている、、

 今ここで瞳を合わすといけないので、私は呼気を待った、

 それはもう切実に待っていた、

 おちつけ、おちつけ、

 水は引いていった、、

 丁寧な瞳がその後ろに控えている、、

 場所はただあけらかんとしていた、

 他人の視点を担いできた、

 そうすると裸体は軽いのだ、、

 こんな軽さはとても歓喜に似ていた、

 こんな軽さは雨模様のなかで赤裸々な光を放(ハナ)った、、

 

 道は転じ、転じ、ある一定量のうねりを溜め込んでいたのだろうか、

 ヌラヌラとした一日の感慨の全体は吹き荒れた、

 その荒れ方は気持ちの良いものだ、

 気持ちの良さのなかで一定量言葉はとんと流れている、、

 

 表情にヒトコトノミコトノ語らいを残し、底の方に沈澱しているのが見えたので、、

 私は呼気にそれらしい役割を託した、

 果たして剥落してくる、、

 眠りに似たカンマンな渦のなかから気体を取り出してくる、、

 粒やら粒が方向を求めている、、

 方向が声を出してうずいている、うねっている、、

 ヒトノジカンセー、

 ヒトノジカンセーに当たり、ひととしていてくらくらとしてくる、

 、、、ト、剥落したものは一体どこへゆくのだろうか?

 (ソトカナ?)

 からだがまた平然としているようだ、

 様々のものがハイリコミスぎて、

 ひとりでざらざらと構えを組み直すようだ、