<1291>「粘性の僅かな朝」

 粘性の朝を迎える日、

 いちかしょに声が集まってきた、、

 いちかしょに声が紛れ集まってくるとわたしもその朝にいた、

 粘性の、、僅かな朝、、

 声を足すに充分であるところを、

 

 あんまりひろがるからよい気分で、、

 立てて、沈黙して、

 わたしはいっぴがリズムを立て出す瞬間に淀みながら付き合っていたよ、

 そういう香り、、

 

 ね、

 いきなり揺り起こし、

 もう、 このいっぴにはいない、あれないところの、

 わたしがきいたものが次々に印象となるところの、

 平面の、あるいはぼやけた空間の姿、、

 一度あった波、

 姿、、 ふやけていた、、

 全く何の声もしない朝になにかせわしく混じっていったことは遠い、ぼやけている、、

 ただ、 ただ今には印象がそっくり含まれているだけ、

 私はまたそうやって揺り起こされていた、

 音は、ただ、底を見つめていた、

 底に、真っすぐに視線が降りかかる、、

 オンがここまで柔らかくなるとは誰も考えていなかった、、

 そしてぼうとした繰り返しを絶えず行う、、

 わたしが距離よりも先にさらにみだれた音に身を寄せること、、

 

 、、いちかしょに絡まったただの振動があった、、

 あなたがひろく声をかけるだろうことの隙間に、僅かな振動があって、、

 そのなかから、一片の独話が、重なり、重なり、重なり、

 重なり始め、、

 よくいっぴに対して馴染ませるのだった、、

 

 音が、

 音があるのに沈黙している時日、、

 ただ沈黙を受けている時日、

 ただのリズムと、

 それがいっぴ全体に重層的にかかってくること、

 そうしても、朝の時刻はちっとも増えていず、

 声がただひろがるままにまかせている、

 私は身体がズレながら朝に対峙し、

 別々の時日がまだカラのこのいっぴへ別々に押し寄せてくるところを、、

 ただふやけて見ている、

 一刻、一刻と、 この、水を、まだなりたてのいっぴに、徐々に、徐々に、足していく、

 私と時日の呼吸、

 総身がこれだけ軽く出来上がっていること、、

 またそのあいだに揺れる空気なんざ、もっともっとで、

 音がただのあとになり、

 いまや鳴っただろうものを静かに見ている、、