<1305>「輪郭、垂れる」

 さ、

 と、溶けてしまって今は輪郭のみだ、、

 外郭のみだ、、

 曲線の、、小さな振るえだけだ、

 輪郭、

 

 ある晴れた日を吸収していまだに止まないこと、、

 延々と鳴り続けている、、

 それに、身体ごとついていよう、、

 

 妙な、

 それは濃い錆びついた音を出した、、

 示し合わされた、そのように、ひとのひとりいない、

 静かに、少し湿った空気が通り、ひとっこひとり、それで黙っている、、

 あらわになるような長い隙間へはいりこんだようなのだ、、

 見る、

 それは長い時刻をあくまで見ているようなのだ、、

 話者は垂れていく、

 

 回転する、たたく音、

 小さく、打ちつけ、打ちつけ、巡る音は、

 それから削り、削り、

 空洞をあらわすのに、、

 ひとは、無言を必要として、、

 削り、また打ちつけている、、

 その各々の空間に浸されて私は色の粒を少しずつずらしたままにしておくといくらかこの湿った空間に適した身体を作る、、

 それで今はどこか‐繋がりを持っていたはずのものを置いてきているのに 口を動かしてやや驚く、、

 輪郭、しかなくなり、

 ぼうんと鳴るだけなのだ、、

 

 その音が鳴るだけなのに、

 私はいつまでも空洞の耳を垂らしていた、、

 底ではないただの場所に向けて、

 

 ある晴れた日の音に沿って隆起のあり方が決まるところに、

 私は何ら理解していない頭で立ち会っていて、

 それからいくらも揺れない、

 継続した明かり、

 継起する声が何らかの底から汲み上げているさまを、

 私は見ていないままだ、、

 私はただ明るい日に放り出されている、

 それ以上のことは分からないが、

 ただ音が輪郭に沿うように流れその場に浮かんでいるうちに、、

 なんら違和のない和やかな粒の流れとして生まれる、、

 もっとひどく前から生まれ続けていたもののなかにひとつの呼吸だけで紛れ込んでしまう、、

 明るい日のなかの見えない線の私の呼気のあり方の記憶

 摘まんでは放つ、

 摘ままれたままになっている輪郭線、、

 風は空洞のなかに放られ、、

 私の呼気の音を少し軽やかにする、