<1363>「無量の点のあいだ、新しい人」

 そののちの、輪の描き方が、違う。

 角度から、色合いから、なにから、

 よくそれであなたが誰であるかを知っているだけ、、

 よく分からない、

 何が目の前で鳴っているのか、、

 何がその、 新たな領域をつくっているのか、、

 

 そうして、古い人として会うことはかなわない、、

 私が、 ひとつの点で表せる、

 そうして、細かな刻みが無際限に、

 無量に入っている、、

 私は今日新しい人となるようだ、

 知らない古さが入って、

 知らない表面を撫でていながら、、

 

 褪せていることを確認する、 ひとつの目印すらなく、

 私は、同じ場所で 同じ向きの風を受けて黙って立っているあいだ、、何も想起されないでいる、のを柔らかく、当たり前に思った、

 日常性の輪郭の外側に座って、僅かに飲み物を待っている、、

 手が、、身体の外に出て激しく現実めいてくるのを、、

 隙間から眺める、

 ここに、 温度を持たされている限りは、

 正常な騒ぎが起こり、、

 私はくぐもって、、

 そのぼうぼうとした態度でにじみ込むだろうことを確認する、

 

 少し、 外側を離れ、

 小さな輪郭 を見つめなおすとき、、

 少し、、私には要素が多すぎる、

 もっと簡単で、簡素であればいいのに、、

 そのまま、流れがあれば、、

 当たり前に吹きこぼされて、、

 音と泡だけが僅かのあいだ注意されるような、

 

 新しい人がそばで(来たよ)、 という声を掛けた、、

 ああ、そう、有難う、

 しかし、私とも風とも関係がない場所で、、

 こんな時間に、

 誰と何を待っているのだろう、、

 この人は何を、、

 無量の点のひとつに細い指を掛けている、、

 この人のことを、、

 私はどこで覚えていたのか、それは分からない、

 ・・・

 (来たよ)、

 ああ、そう、そうだ、有難う、

 仕草が、身体が、、微塵も動かなくなって、、

 眼のなかに、、

 時間がないこと、、

 いくつも波が打ちつけ、、

 無量の点と点のあいだを、 すみやかに行き来し、

 ひとおもいに覆ってしまおうと、しているだろうところの、

 まんまえにいて、、

 しばらく動けなくなっている、