<1386>「その道の端に転がり出て」

 その道の端に転がり出て少し姿が分かるようになってから一体どれくらいの時間が経っているのだろう、、

 視線のなかにいくつもの波を描き段々と豊富になっていった、

 あらわれて、接近し切ったところで、何度か、あっけない、あっけないというニュアンスが、

 底の方で僅かに点滅する、

 

 その道の端に転がり出でて一体どれだけの時間が経過したろう、、

 肌もあっけなさに上手く合わさって来た、、

 無辺で、刻々と、変化する、移動する、

 芯と、痕の、

 その集中したのちの、色合い、、

 道にひっきりなしに何か、付けているはずで、

 身体が置いていかれているはずで、

 それを極小の目で眺める、、

 生きているものが、濃くなって、捨てられた、

 と、や、捨てられたその瞬間からまた、段々に、段々に濃くなって、

 一点の染み、

 一点の染みの身体が、

 下方で歌う

 

 その道の端、経過したろう、

 次々と色変化を繰り返し、

 疑いながらなお渡る、

 身体はその染みの限りではない、、

 その染みの、、流れの限りでは、、

 と、、

 無為に、不安定に、、

 慌てふためきながらそこを揺れてばたつき、

 ねじれている線の上に片足で乗っかりながら、

 冷や汗をかく、

 

 その道で経過する身体を、、

 動き回っている眼が、

 転じて転じて転じて、

 ものを当惑のなかに、堂々と抱え込む、、

 眼差しているものが一様に不安げに、

 せわしくなり、、

 頻繁に身体に触れている、、

 

 その道を、、廻転を、

 私が無闇に見つめていた頃より綺麗である、

 流れるように綺麗で、、

 黙しているあいだに少しずつその場に居ながらにして、身体を支えてゆくのを、、

 知りはしないが、、

 見ている、

 長く見ていると現在にしかいないのではないか、と、

 いや、時間のないところに、、

 静かに立って、、

 ものが流れていくために、、

 身体は方角を少しズラしていく、

 ものが見えて、、

 身体の時間はどこまでも長く