<1393>「生活量の底方へ」

 器が上手く揃う所、

 かたん、かたんと音を立てて続くうちに、、

 透過する視線、

 内側でただ曖昧にひろがってゆくだけの、、

 紛れもない 器の様相になった、、

 

 器と隣に立つ人、、

 だだひろい反響音をきいて立つ人、、

 幾、面のさまざまにおそろしさとほうけが、

 隣に立った人はいつもその器を覗いて、、

 ただびんと音を立てて過ごした、

 過ごし方がまた収まり、、

 その続きを静かに奥の方で映して、、佇んでいる・・・

 

 徐行の、渦の、

 勢いのありかたに身をつけながら、、

 身を存分につけていながら、、

 遠方へうたいが去る、、

 声が色を段々に少なくして遠ざかる、、

 徐行の目に、、

 いくつかの間隙があって、、

 それをただほうけた空気で埋める、

 吹いて、たがわない、、

 

 揺れて揺れて出る所、

 知りようもない線が幾表面をも結び、、

 そのときどきに ひとつのマークとしての明り、、

 斜方から差してくる来かた、

 曖昧な音響のただなかに、

 上手く身をつけて、、

 少しずつ沈み込む、、

 そうすると、、またなんと呼んでいいか分からない線上へ、、

 身体の幾部分かがはみ出、 かかわる、

 

 かかわりあいになる身体のひろがりとひとつのラインを、

 線上の身の振り方を、、

 来かたを、、

 多さで、、

 生活量の多さで直接に受けながら、、

 身が少しずつ振れている、、

 かかわりあいになり、、

 音もずっとその底方に馴染んでしまって、、

 大仰な驚きはどこかからか、

 点で、、

 徐行を始めた、、

 

 底方へ、入るという期待と、、

 その差しかたを、、

 器で、、回転する表面で受け止めながら、

 歩みを遅くする、、

 根底に湧くとしても、、

 その手が入り、

 いくつか迷い淀んでいるうちに、

 おそれたんだかなんだか、、

 上手く入らなくなって、、

 隣に位置を占める、、なんとも遠くから・・・