<1420>「私はさらではない」

 なかに嘆きがあっても、、

 方法が残っていても、、

 またそれはそれとして、

 歩があそこでひらき、、

 私に印象をくれる、、

 

 見て、豊かな一日のうちに、、

 いくつもの嘆きが、、

 そこにあっても、またそれはそれとして、、

 何かを憂う仕草をまたうちに、それはそれとして、、

 あたしはまた隙間に歩を、

 じりじりじりじりとずらして、、

 これが後ろにいったときどうなる、とか、

 それらしいことは何一つ分からない、、

 

 方法があるから、あたしはそこへさらのまま出てくるわけではないんだよ、、

 言葉をするけど、

 あたしはいくつもの方法を知らぬまに繰り返されてきて出て来ているからさらではないんだ、、

 

 初めての驚きは、、

 その隙間から出て来た瞬間から、

 私はさらではないということ、、

 誰かが遠くの方で鳴いているのにそのまま合わせていたこと、、

 姿勢が思うようではないと感じていたこと、、

 その箇所々々の波のそれぞれが、、

 あたしの歩を黙って打って、、

 どこへか知らないとこへ出て、、

 なおも当たり前であるのは、、

 

 人一人が上手く風がかる方向を探していたんだ、、

 ひとたび音がそこへ出ればまた徐々にその響きは失せて無形の撫で方だけが伝わる、

 撫でていくそのものの重複のなかに、

 生きて歩を、、生きて風がかることを、

 風がかる私が小さな青のなかに出でていくことを、、

 

 その時々の歩の透明な連続が、、

 絡んだ音が、、

 やまない仕草の、その延長が、

 暮れていくものそれぞれにただ思うだけの色を呉れて、

 そのまま少しも見えなくなっていく、、

 私があおむいて、、

 色が徐々に落ちてくるのを知らずにいるから、、

 どうも私はさらでないらしい、、

 どうも私はしらぬまに香を嗅いで色を容れるらしい、、

 

 やむことなく入り、、

 色の後方、色の後ろへ、、

 あたしが部分的な軽さへ、、

 その方向へふっと風がかって、

 いつもより少し見えなくなると思う、

 いつもより少し見えないまま、、

 かくあり得ると思う種々の流れを、

 そのままで伝える、