<1436>「一微量字がよぎる」

 ものがただひたりとここをつく、

 そのあじけない、

 身体がうまく染みついてきて、、

 それを短い時間で、

 ただたんと眺め、、そのまま、そこに、汗をかきだし、

 いくつかふやけて、

 ふやけて線の巡る、、

 

 あたしが目のまわるような諸方の響きに、

 ただはた、と身体をひらき、

 そこでひらいているもの、はじくもの、、

 ただ絶えなく巡る、

 ただにそれぞれの静止する力で、、

 

 その、もっと先の方へ、、

 あたしが、まだ肌を見て、、

 じり、じり、と立ち、、

 立っていることにより、、少しずつ苦さを増してくるようなところで、

 何を、、何を、

 何をここへ垂れ込ましているのだろうか、、

 遠方や、遠方でないところ、それら、諸々、、

 じっさいに流れて、

 じっさいに生きて吸い込むようなところ、、

 ただ不安心な苦さを、

 ここへさらし込みながら、、

 水が上手く動き、、

 呼吸がそれに続け、

 まだ肌の中をゆるやかにのぼる、、

 まだ合流地のはっとする眺めの中に苦さを流し込んではいまい、、

 その行き来に、

 私は生まれる、、

 

 私は、意識のはなやかな騒ぎがここへ絞られて出てきて、そっと日にさらされたままで、、

 気持ちの良い表情をして、、

 からりと音を立ててはじけていること、、

 かれて小気味よく騒ぐあなたのこと、、

 噛みやすくなって、苦さが、

 外側に音もなく静かに動く、、

 

 その揺れる先、、

 そのはしのはしまでかわいた先に、、

 一微量字がよぎる、

 一微量字の、、

 響きの曖昧さ、、

 どこかから続いて来て、ついで、どこへまでいくのか、、

 私は、それを、、

 分からなく思い、、

 分からないなかで、なおも続いたこと、、それを、

 不明だと思い見ている、、

 見ていると、、順に、順に、、

 あちこちで並ぶ、、

 そのひとつの微量字のなかを覗き、

 そこに別時が混ざり、、

 規則正しいはじけた音をきくということは、