<1438>「表層音の熱」

 いずれその熱がどこにあるかないかなどというのを問われて、、

 ただうなずき、

 風よりは外へ私の発話のひとつだに溢れてはいかないだろうことなどを、

 ずうっと、

 そして、、次にまるで関係のない光景の、日の広さのなかに、

 全体としてとけて、

 そのままここへ何も残らないようで、、

 とけた記憶だけが残って、、

 先へ、先へ、、先へ、、

 見事な風貌から、

 見事な行き来の走りをしらせる、

 

 あたしが何、肌なり、、

 長く伸びた表層音なりに身を付けて、

 行き、行き、行くと、、

 ここにはどこの誰も会っていないけれども、、

 それで、、いつからかとけた、、

 表層音の、溜まりが、そのまま、肌へ、

 じたと貼りついたままでいまだに、、

 長い時刻で、

 どこかからどこへまで、ぐうと、隠れているだけ、、

 隠れているだけの、渡しの音、

 それを、あてられるだけあてられて、ここへ出て来、

 静かに、

 何一言もあらはれるようなそぶりもないままで、ここへ、、

 身体を置き、

 いや、身体の表層音を置き、、

 とどまっている私というもの、、

 何という巡らせをしたらいいかなどというものは、

 分からなく、後にした、、

 じたと貼りついて、私の足へ、、

 そのリズムを引きずる、、

 

 ぼけえと立つ身体のじたついてくるところへ、、

 表層音のゆれを、、

 うねる流れも目に見えているのだかなになのだか、、

 そこへぼけえと立ち続く、、

 振る、、振る、、

 一切がそこから出て来、、

 一切がそこへ続く、、

 遠くの方にあると決めてかかる人なども今は隣へ、、

 今は私の肌のその内実までびたと貼り合わせられてここへ、

 なにのこともじかに届く、、

 ゆれているだけは知れる、、

 じたという、

 じたという分かれかたに手を当てて、、

 いったいそこにあるものがなになのかどうか、、

 少しも分からないままに退散していた、

 少し貼りついていたらしく、、

 そのまま隔たったところでとんだ拍子に、、

 あらはれて、見続く、、

 ところどころかさと剥がれていて、、

 それでも十分なだけ、、

 身体に与える、、

 これもなにかの熱が吹き出すに相違ない・・・、