<1457>「身体の一枚さ」

 一枚の身体を立てたところに風が吹いていたはずだろうことを、、

 一枚の身体が、翻りながら、、

 向きのそれぞれ、、

 香の道行き、、それぞれを、、

 渡りながら、、

 過ごしていた、、骨の上を、、

 こころなしか、通過していくのを、

 予想も、予感もなしに、、

 確信していくのを、、

 動くを、

 見るを、、

 身体の一枚さを、

 私が過ごすところへ吹いては過ぎていた

 身体を、、

 

 一枚を噛んで、、

 徐々に味がすみやかになっていく様子を、、

 あたしが、垂れる、、それは、一枚と、、

 一枚と、、

 一枚と、知っているものを、、小さく咥えて、

 咥えたままになっていればそこから垂れていく、、

 垂れれば垂れていくほど、、

 私の声の遠くの方で、、

 声の垂れていくその後ろで、、

 招ぎ、招く音がする、、

 縦横に折り畳まれていくもの、

 見えていくを、、

 ひらくを、

 たわむれに、、

 なにがそこへ光って出ているのかを、

 見ているのを、

 黙って畳まれながら、、

 

 日夜を、日夜を、、

 ひろがる身体で、

 手中に、、掌中に、

 汗が垂れる、、

 ひたいから、、ひたいのなかから、ひろがりから、、

 ずっと遠くの方から、、

 垂れて、、

 私の方へ、スロオモに、渡ってきて、、

 私は、肌から、少しも離れなく、、

 輪郭の全体がざっと滲んだ、、

 そうして、ぼやけながら、、

 身体の真ん中を、、

 なにほどもなく見ていては、、

 それに別れて、、

 あたしはじた、じた、と、、

 垂れた、足跡を、

 また軽くなっていく、、

 またたくわえてゆく、、

 小さな仕草で、じと、と、咥えてゆくのを、、

 肌の中から、

 そうと見る、見るを、、

 うれしそうに、確かめて、そこで吐かれる、、