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 悪口を言おう。ポイントカードである。

 ポイントカードが嫌いだ。

 商品と金だけのやりとりがしたい。それが心地良い。シンプルだ。ポイント、ポイント、うんざりする。

 得だ。

 得だ。

 それなのに、使わないのはおかしいですよね?

 使わないと、馬鹿ですよね?

 なんで、作らないんですか?

 手間だってそんなにかかるわけじゃな・・・

 ああ。

 はい、はい、はい。はい。

 損で良い。

 金の使い方が賢くなくて良い。

 それで心地良いから、いいんだ。

 

 好悪に対して、損得、特に得は、なんでもかでも押し通す力があると思っていて、人の心地良さの領域に、無遠慮に、平気で入ってくる。

 得なのにどうして嫌なんですかあ?

 嫌である。うんざりする。心地良くない。それだけの理由が、得の前だと途端に通りにくくなる。

 損でもなんでも、心地良さを取る、という考えは、おそらく豪快に無視されている。

 得だからそれを選ぶのは当たり前だという圧力。

 なんだあの心地の悪さは。

 

 私は本を買う。

 私はよく本を買う。

 買い物によく行く、頻繁に行くとなれば本屋だ。

 本には値段がある。

 高いこともある。安いこともある。

 安くなっていること(古本?)もある。高くなっていること(プレミア?)もたまにある。

 私は値段を見る。読みたさが一方にあり、他方に値段があり、釣り合う、あるいは、値段がその読みたさの範囲に収まっていれば、買う。

 買う決断をする。

 あとは、金を払えば終いである。

 そのときに、

  ポイントカードを作ればポイントが貯まる

 とか、

  貯まればそのポイント分は本がもらえる

 とか、

  キャンペーンもいろいろやっていてお得

 とか、

 どーーーーーーーーーーーーーーーーーーでもいい。

 そんなものは、私と本とのあいだになくていい。

 いや、いらない。

 いらないいらないいらない。

 何故なら、余計な要素が増えると、うんざりして、心地悪いからだ。

 本をくれ、本だけをくれ。

 ポイントカードは、知っている人たちだけが、知っている人たちだけでこっそり得をするのに使って、私みたいな、商品と金とのやりとりだけを望む人間を、

  あいつ、ポイントカードだともっとお得なの知らないみたいだよ、ハハハ

 と笑って喜んでいればいいじゃないか。

 あんなに堂々と、正面に大きな顔をして出てきて、正しいこと(得だということ)を大声で振りまかないでくれ。陰でやってくれ。

 そうすれば、私みたいな人間はポイントカードポイントカードの連呼に悩まされなくて済むし、ポイントカードを使う人は私みたいな人間より賢くお買い物が出来ているという優越感に浸れるし、Win-Winの関係じゃないか。