<1519>「火の湧く底の身体」

 あれその、回転する月日の、ちょうど先端にいました、、

 そこに、大仰に、

 しかし黙って、、

 一座を占めている、

 呼吸の、私が居ました、、

 それは先端で、無音、、

 人々が沈黙している底から、

 わっと吹き上がってくる、、

 そのひとつひとつの細かな粒子によって、、

 ここへぬっと黙って立って居られたのです、

 そのさまは不思議でした、、

 ながく見ていても、、ここへ、

 焼け始めるまえの存在が置かれていることに、変わりはないようなのです、、

 

 ちょうどだから、、なかがわからの火、

 火を外側に立てて、

 軽々と微笑んでいる、

 存在したという事実は、どこか、底のほうで渦巻きながら、

 軽々とした、微笑みを寄越すのです、、

 はらと触れ、

 存在したまま、、

 そのとおりの下の呼吸をうかがう、

 ある一連の確認の仕方が、、

 ここに、新しい火を、添えているのでした、、

 あんまりまぶしいところへほうられて、、

 なかがわから、先端にまでつながる、、

 はてしない距離には、

 ただ渦巻き、跳ねる音だけがえんえんと続いていて、、

 他の人々は、沈黙したままなのです、、

 

 それでだれも、、

 ひろびろとした場所へ、

 熱をほうと一節、

 どこまでも渦を整え、、

 そこ、かしこに通じさせてゆくさまが見えていた、、

 ほうと声の上がる、、

 そこでわたしはもっと先端に合わせるために、

 当たり前のしかたへ、身体を、

 ぐらり、と、揺らせこませてゆくのです、、

 そのような、内景色を、良いと思いました、

 遠くからで、鳴っていれば、鳴っているほど、、

 それは、良いと思いました、、

 きかれる限りの、そのよそいの内側に、、

 たたたれて、いける、、

 この長さのことは、いつまでも不思議で、、

 たったひとつの響きだと思うのに、

 私は、そのぐっと遠くのものが起き出す前から、

 一緒になって呼吸をしていたのです、、

 一緒になってそこでたたたれて、

 はずんだ、ものの行方を、

 一心になって眺めていた、、

 だいいち、そのように、響きが長くなければ、、

 大仰でなければ、、

 このような火の、立ち上がる身体などはあり得ないでしょう、、