<1564>「ひとりの呼吸が繰り返すところ」

 およそ色のはっきりとはせないところへ、どうれどうれと身というに違いないものを、放り出して来ました、、

 それはおそろしい響き、

 しかし、おそろしい響きには不似合いな軽快調のリズムで駆け出してゆきました、、

 なにの響きがせる、そこを行きまわる、

 身体がいつかそこらへどうとあたりまえに響きはじめてくる、、

 どうというたどり、たといのなかへぶっつかってくる、、

 さあさあ、と足並み、歩並みを揃え、

 どこの場所よりも静かに、、

 そのさまを、表現し、表明し、、

 きっとずるずると流れて行き上がる、、

 声は円、円を内側に持ち、

 さわざわしい響きから、なにからを、温和な態度で持って集めて来ました、、

 

 そこに、表情のせる、、微細な線の動き、、

 わたしは、イメージと、熱の混合物のなかへはいり、

 まったくはいり、、

 はつ、はつと呼吸を繰り返すのでした、、

 繰り返された呼吸の表面へまわり、、

 しぶとうしぶとうに、湧いて来るのでした、、

 なにがな、表情の中、輪を描いて進む、、

 そのリズムが、まったく表面で静まって、

 僅かな線の、軌跡の違いとなってしかあらわれない、

 そのような姿を、ここに、置いておく、

 置いておくことに、ひとまずはしているのです、、

 隙間に生きてまともに通う、のを、このひと振りの指の作用ですら確かめ得た、、

 いいや、そういうもので確かめるのがいちばん適当かもしれない、、

 身が、ここへ、持ち上がって来る間に、、

 生きているのが見えているのかもしれません、

 少しく、見え始めているのかも、しれません、、

 

 どこかで、身にぶっつかる、、

 はやばや、身へ、、

 どこかで、その響きを感得したろうもの、

 をめまえに、取りいだしました、、

 なにがな、響きが、こちらの方へ、向かって来る、、

 そのちょうど正面に、

 今さわだって走り、さわだって波の線を湧き、

 そこへ示します、

 示されたもののことどものことをじっとその表面で、考えていたのでした、、

 考えて表面に水分が滲んで来る、、

 あなたの隙間の表現に上手く合わさるように、

 水分があって、、

 私は声の円のところが振動するたびに、

 それは、振るわれていく、、

 諸方へ、まるでばらばらに、かかっていく、、

 そのようなさまを、、

 ひどく、はっきりと見つめていたのでした、、

 見つめていることがひどく生きてきた、、

 その肌の水の起こり、、

 ましょうめへ、

 私は、すみやかに声を掛ける仕草をしました、、