<1601>「器は含む」

 この様子になってたれも、

 少しも、振りはせなんだ、、

 拍子、拍子に合わせて、担ぐ、担ぐ、、

 その先にひらひらひらがれて、

 おう、その、、空間に行き来をなすものの、

 なぐさみ、

 声を掛け合わしましょう、、

 前方へ、当たり前に揺れていくのを、

 様子、眺め、

 はい、なに、と当たりながらだな、、

 行き交っているのが見えました、

 

 身体を振りながら、、

 わずかの隅にまで いくつものものが届いて、、

 います、

 そんなさびしい声をしますな、

 と、優しく声を掛けているところもあり、、

 たんだ、冷たさ、酷さから、わざとそのように振るのではないことがどのようにも意識され、、

 なにように していなさるんだ、

 なにようの表情を持ち、、

 いんや、万事、そこから同じくして鳴るものの波にまかせて、

 微妙に揺れていることとなる、

 のを、

 きいていました、

 だから、柔らかくなるとする、、

 柔らかくあり得るのは、

 別に、そうせない理由がないから、ということでもある、、

 たんだ、含み方が巧みになってきたから、ということもあり、

 なによう、のしざまなのか、、

 なによう、のうたいぶりなのかは、、

 今、ここで声を掛けて渡しただけでは、はっきりと分かっていない、、

 

 個人がはいるだろう、

 や、個人は当然入っていてしかるべきものなのだろうと、、

 疑いを持ち合わせ、、

 もっと、じり、じりと寄り、、

 響きが鈍り出していくこととなるような、

 そういった隙間へ、、

 あまりにもしずかな表情をしていた、、

 あら、これは、、空域の、

 空域、これは、たれであろうとはいれるから空域なのではなく、

 空域、これは、たれであろうとはいっていないから空域なのであって、、

 身からよくげに出てはいる、、

 出て、はいる、出て、はいる、

 透明な、もの思いの姿勢に促されて、、

 随分と含み、流し込まれてゆく、

 あたしは声を一方向に掛けていると思いました、、

 掛けていましたから、、

 おい、おい、分からない、

 所作の、秘密めいて、、

 こちらへどう、どうと向かい合い、、

 ただの流れのひとつとして、また含みました、、