<1706>「手さぐり」

 そこから音を立てて生まれようとした、、

 私が、

 じだら、じだら、と、溜まっていく、、

 それ以外に、為方はない、

 一滴、一滴と、溜まってゆく以外にはなにの、

 作法もないのだが、

 それを見つめて、

 吸い込まれて行きそうなものを、集め、、

 渡す、、

 明日となにと言わずに、渡して、、

 ここの通りをひらくのだから、かして、、

 短い呼吸をそえた、、

 

 遠くの、その響き方からして、、

 揺れてくる、いくつもの道の、知らせ、、

 あなたはそうして、どこから、

 どうやって漏れてきたのだろう、、

 不可思議な調子に巻かれて、

 恥と、爽やかな粒が、交替し、

 そこで混ざり、、

 私の方角へ、、

 今にはっきりとした音を立ててくるように、思う、、

 私が蔵していることを、

 ひとつひとつ知ろうなどという無謀な試みは避け、、

 ただ、手掛かりになる具体的な動きの往復だけを掛け、

 そこへ続き、、

 時々見たこともないところへ潜ってゆけばいい、、

 響きもどこから来たかは言わないし、また、、

 どこから来たとも言われないと思う、、

 なんたる領海だか、

 あたしは手を入れているだけだ、、

 不可思議な堆積のなかへ向けて、

 何が見えるのでもないのだが、、

 

 渡された表情を、ずっと持っている、、

 曖昧に帰るにはせよ、

 ここに持っていることは変わらない、、

 のだが、、

 私は、静かに温度を下げて、、

 見えない地点へ、沈んでいく、

 その余の、余のとは言えど、無際限のもの、

 の沈み方を、

 腹で受ける、、

 あ、そうして、また、膨れた時刻に飛び出してくるつもりのところ、、

 状況を仰いで、、

 私はここに一量の仕草を成す、、

 にわかに、触れて、、

 肌という肌には、こんなにも長い、時刻が、

 沈黙の堆積があって、、

 それを分けて、分けて、無量時へ、

 下がっていくことになるなどと、

 思いもよらぬ時日の姿へ、、

 また手を入れる、、

 またほうけた表情が出る、、

 先へ、後方へ、線を繋げるために、そこで、ひとり、、