<1765>「その振動は嬉しい」

 身体のなかでうたうひとが、

 そこを行き、、

 全てその響きで埋まっているように思われたが、

 どこを探る、

 私のなかにはっきりと鏡の性質を持って、

 うたいが生きてきた訳だから、

 どのように驚愕するのでも良い、、

 あとからあとから身体が出てきて、

 それで、響きを競うことなど少しもないのだから、

 私は大袈裟に驚いていると見えただろうか、、

 そこからそこへ動く、

 あたしのなかでいくつもの歩が動く、

 身体が溢れていく、、

 

 巻く、巻く、巻かれるものは、そのまま、、

 吹け、いつも、鏡の中にうつるものに、

 素直に参じてゆく、

 誰の響きか、彼か、それか、、

 一斉に来た、

 一斉に身体まで来て、、

 私はそれを含む、全ての音のなかにある、、

 誰彼から続くのだろう、

 その様子も見えぬまま、、

 私が裸足を出した、

 訳も分からないまま、

 水について、含まれて、そのなかに染みてきたと言える、

 染みてきた時刻が、

 私の中に入ると言える、、

 入ってどうしても止まないのだと言える、、

 あれ、静かに含まして、

 おそろしく方向を見るもの、

 が、静まり返って入ったのだ、、

 

 私はその振動から、

 はっきりとした表情を引っ張り出してきて、

 明らかに回転した、

 明らかにその先頭に装いが含まれて、

 私は、だら、

 だら、と、徐々に垂れてゆくのを見守る、、

 私はあらわれて、、

 徐々に徐々に混じる、

 そこ、響きのある方へ、

 あたしを続けて見せてくれるというように、

 そこで生きて、長く続く、、

 あれ、その振動は嬉しい、

 振動が私にひたひたと、

 ひたひたと、なんだ、この声の様子が、

 かすれて、ひとり驚く、

 私は身体だ、

 あり得べき諸々の流れのなかで、

 徐々に徐々に浸透する、一種の身体だ、

 かむさって、

 私はその道へ手をかける、、

 手から振るい、振るの、それらはまっすぐに、

 私のところまで来た、

 装いの驚き、というところまで、来た、