<1769>「いまきの揺れから」

 もの遠い音が今に身体を巡り、

 次々に分かれて、

 次々に始まり、、

 あたしはそのなかへまっすぐに含まれてゆく、、

 あいだに、十分に、身体をきかせて、

 今に当たり前に知られてゆく、、

 その肌を、どう、どうあらわし、

 時刻を敷いて、、

 潜り込んできたのかな、

 順に順に身体を見せて、、

 その響きをきかせる、

 響きでない肌はなくなって、、

 長く、その土地に鳴っている、、

 

 私がその長い記憶にそのまま混ざり、、

 あらゆる歩行線との区別もなくなって、

 順に緑辺りへ紛れ、、

 境い目から呼吸を為して、

 方々へ、

 上手く潜ったものの姿勢として繋がる、、

 あたしは地について、、

 なんだか振るえたいだけ振るえているという気がする、、

 どこからどこまで、

 あなたの響きが来るんだ、、

 それが肌になって、

 一体どこまで運んでゆけるんだ、、

 その模様を見、色を見、、

 身体を見て、、

 あたしの様子のなかに、いくつも粒よ生まれろ、

 膨らめ、、

 そこを通って大仰なひとつの揺れる線となる、、

 ここまで来いここまで来い、、

 誰を差すだろうかその姿の、

 あたしにははっきりとその映像の、うつる人、、

 瞬間時にまったくの温度で、やきついて、、

 離れなくなった、生き物は、、

 生き物のなかでごろりと音を立てて活動する、、

 活動の余波に触れて静かに目を覚ますのだな、、

 あちらからこちら、、

 

 いまきの揺れから、

 あぶれ、あぶれて、、

 平気で、そのなかで、豊富になる人、、

 よく、そこから器用に、きこえさせてきて、

 もの遠くから、

 じっと、じっと、、大変古いもので、響きを重ねてきた、、

 もう音も色も残っていないものが一番先頭にいる、

 もう、音も色も残っていないものが接近戦に出でて諸々の様子をじっと見詰めている、

 じっと見詰めているものの微細な揺れのなかに全ての水が含まれて、

 幸福そうにここで無言になっている、

 あたしは、そうして黙って参じた、、

 身体が、装いが、そのなかを通り、、

 このリズムにあたれば、、

 なにとはなく、いまきの人であるように思われる、影がついた・・・