<1788>「私の声のなかに入る」

 あたしは道のまなかに立って、

 おい、おうい、こちら、と言う、、

 ひとつの声のなかに入った、

 そうして、その声が私の中にたまり、

 私は響きの只中で歩みがどこまでもゆくのを見守ったのだった、

 おい、そこから駆けてくれ、

 私もそこからはっきり漏るから、

 とさ、勢いが、そら、そら、渡り、、

 ひとつの手の中で、たくみに踊るのです、

 私は醒めて、静かな青い道の中にいると、

 おうい、おい、と幾度もこちらへ渡るさまをきいたのでした、

 

 あたしがいつ非時間へ還ったのですか・・・

 さて、さて、、

 私は形を持って、このいくつかのものと誘い、

 流れて行く、

 ものの流れて行く、

 私はあればあるだけの量で、それを視ている、、

 ねえ、ねえ、あたしは還って、、

 あたりに遍満する、

 すると、あなたとの踊りは、非時間になるのでしょうか、

 非時間になったあなたは、もう無数粒ではないのでしょうか、、

 そこに生まれて、、

 数限りなく分かれて行く、

 無数粒ではもうないのでしょうか、、

 そうすると、通常簡単に考えられるほど、

 あたしはこわいものではないのかもしれません、、

 どうしてあなたはこわがられているのですか、

 非時間は、人間の常ではありませんか・・・

 

 暗い時間に、

 なにがやら音を立て、

 私のなかで湧き、

 なにがやら、同じ形象を、

 増して行く、増してゆく、その姿のものに、、

 私はおそれて、、

 手を触れるのも、どうしたものだろうか、

 と、ひとりで揺るぎながらのことではあった、

 熱がある、、

 私は運動体で、熱がある、、

 次々に、わいて、、

 次々に、転げてきた・・・

 あ、私はここにも、呼吸を持っています、、

 あたしは息がふさがるのをふせぐ、

 その一筋を、

 無理だとかなにだとかは言いません、

 方々で揺らぎ、、

 無数粒は嬉しさと、おそろしさと、、

 そのふたつながらで、生きていたのでした・・・

 あ、平らな、、

 ものがここにいくつもあり、

 いくつもこぼれて、、

 次々に分かれてはまた、上手く生まれるのでした、