<1821>「私が人間に入る」

 この道筋に足る風景ならばいくらも持ち合わせているはずだから、、

 ひとつひとつまた内に含み、それで、寄越してください、、

 私が人間に入る、

 すると明かりがつく、、

 明かりを頼りに、ここへ、滑るようにして、出てきた、、

 なに、歩が溜まる、

 歩がその場で溶けて、静かにたまりこむ、、

 ああ、ここで水が出来て、

 そっくりそのままこの場所へ来るようなのだ、、

 だらりだらり、、

 私はここでまた切符を掴み、、

 液として渡る、、

 

 暗闇のなかをほうけさわぎで渡って来て、、

 今、作り合わせの、、まくろな空間のなかへ包まれながら、

 ずっとこの透明な線は長くなっていく、

 ずっと長くなりながら、

 明らかにここのなかへ溜まったものを、、

 ひとつ掬って来た、、

 あたしはその作業の中にひとつの音楽が入るのを、

 両手の運動のなかにいながら感じた訳だけれども、、

 誰かこの響きのなかに漏れて来るものはありますか、

 続き続き、、

 誰かこの夜のなかにまっすぐに肢体を現すものはありますか、

 と静かにきいた、、

 私は、、いくらも当たり前の通りに身体が流れ込んだのを知り、、

 どうしようもなくそこに立ち、、

 呼吸がひとつひとつ来て泡になるのを待っていました、、

 私と、その建物が止まった、

 外へいくつもまわりながら、

 私はそこに止まり、泡立ち始める、、

 誰彼も、これを静かな眼で見てくれるならば良いな、と、

 そこにひとつの粒を置き、独話した、、

 

 あたしはその道に束になって流れ、、

 いくつまで含むか、そうか、、

 まったく見事な円になり、

 そのなかでどこまでもほうける、、

 私は姿になりました、

 きっとどこかで見届けて、このまま無形になり、映像になり、

 どこか、知らないところで、

 静かな視線のなかで、また生まれていることを思うと、、

 あ、当たり前に無数の線になって、

 ここへ垂れているものがなにかと、、

 そのまま訊ねることになる、

 いちどきにそのリズムが来た、、

 平素は、内にこもり、

 どこまでも どこまでも、下方へ行き、

 そこで音の溜まりをなしているものも、、

 ただそこに線が来て、

 道を用意されると、、

 かわいてあがってきて、

 そこに出る、、まったく振れた様子で、軽やかに・・・