<1852>「知らない場所を塗る」

 そこに絶えず住み、溜まってもいたものが、、

 当たり前の経過により、

 そこからずれていく、

 そこからずれて、

 一量として、新たに生まれるものがあり、、

 私はそれを衣服だと思った、

 私は歩いた、

 それは暗い時間だった、

 私はここに脂となって浮き、、

 緩やかにその景物のなかに塗られ、、

 身体が、薄くなって続く、

 身体が方々へ馴染む、

 風景は変更さる、

 私は、その脂の匂いを頼りに、

 場所から場所へ、

 静かに伝う、、

 

 あなたあたらしく生まれて、

 そこに静かに垂れているのですね、

 驚きも、戸惑いもある、、

 それで、強い、無関心もある、

 興味もある、好奇心がある、、

 私は各地をさまようことに決めるだろうと予感し、

 小さくほうけた、

 各地は私を塗り、

 各地はまた私の液を受ける、

 静かに、

 言葉を交わすことなく、、

 あなたは当たり前の温度で、身体が次々に溶けるのを、

 非常に好ましいことだと思う、、

 誰が何を置いてきたのか、

 目に見える印は何もないので、

 私は想像を上手く運ばせる訳ではないが、、

 ここに生まれた粒を、

 粒から垂れた脂の匂いを、

 肌が吸うのを、

 静かな時間に渡して、黙っていた、、

 

 あなたが何か夢中になって、、

 絶えず言葉を立てているけれども、

 どうにも私は、その心地の良い響きだけをとって、

 そのなかでほうけてしまったように思います、、

 ねえ、あなたはこのごろどこに線を引いてきたのですか、

 あなたの脂はどうでしたか、、

 上手く混じりましたか、、

 私は新しい線の上へ長い姿を持ちまた生まれていました、

 誘われて、

 あるはずのない場所であったところの夢を見、、

 誰も知らない時刻に、

 誰も知らない姿で歩いて、、

 これが方途を持ち、

 小さな種で、

 あなたの手のなかに生まれ、、

 僅かに騒いだあと、

 無表情の境を掴み、、

 じんと染みてそこに歩をつけはじめることを・・・