<1870>「おもむろ」

 静かに揃えた声の、

 なかに、

 僅かでも含まれている、

 ひとの、さそう時間、、

 私は、明らかにその様相のなかへ、染みているのでした、、

 この、肌のなかに、

 明らかに染みているのでした、、

 誰にでも馴染む葉の、

 その過ごし方、渡し方、、

 が、今はっきりとここへ見えて、、

 今にひろがり、

 また私の方へふらふらと倒れていく、、

 私は粒で、

 自在ではない、、

 その、自在ではないものをひろっていく、、

 ときに駆けていく、、

 身体にどんな液を馴染ませ、、

 あたしはある緊張のなかに、

 しずかに過ごす、、

 ひともまたその装いのなかにはいる、、

 

 先刻揺れたものが、、

 なに、なに、、

 あくまでこの糸のなかを伝って来るのか、、

 解体か、

 浸透するのか、、

 場面場面に肌を付けたものなのか、、

 分からない、、

 あたしはただほぐれて、、

 ものの隙間に存在する、、

 その、意識の隙間にかたまり、、

 身体はどこまでも流れる、、

 いまやわらかい、

 いまやわらかくない、、

 ひとつひとつの点が落ちて、、

 道に見える、

 あたしは底のなかにひとつ染みる、

 ふたつ染みる、、

 あれ、遅れながら、、

 そのような、響きをまた私に立てて、、

 呉れる、、

 ひとつの葉がいまここに混じる、、

 

 かなたへ立てたその旗の、、

 用意や、、

 いりょくというものの、、

 なかに住み、

 なかで生まれて、、

 私は独話し、ひとりで回転し、、

 この隅々のなかへ、、

 いちりょうになり生起する、、

 ああ、生まれる、、

 私は酸素に触れた、、

 ただ、肌を持っていただけだった、、

 秘密などはない、

 ただ、形作ろうとする、ひとつの運動がある、、