私がその形になるのを知る前に、
手はなかにはいり、
そこをうかがう、
うかがったらなんだか当たり前の、、
小さな空間だけがあり、
私はひとりで驚いている、、
なにがこの身体のなかに掛かり、
ひとつの声になっている、、
私は花を見るが、
一本取って持って帰ろうとした途端、
なんにもおもしろくなくなる、、
あなたも私と同じ身体だ、
それだからなにも不思議なことはない、、
私は皮膚のなかにはいり、、
そこで、一量で、盛り上がっている、、
声もただ低い音を時折出すだけになる、、
私は不安定な水の中に混じってゆき、
そこで生き、そこで漂い、、
そこからただごとではないとひとりつぶやくところまで、
訳も分からずに来ている、、
あたしがあたしのリズムに乗り、、
その様子をまた身体のなかへ畳み、、
ひどく、そこで泡を立てようとするが、
そういう訳にもいかない、、
静かな練り上げ、、
静かに触れる動作、、
像が出来、
ほうと息をつく、、
私はまた像を作るのだろうから、、
手がただアいて、、
ぶらぶらと所在なく揺れる、、
私はその一点にまた生まれているのだよ、
気づいたかい、、
階段を、繰り返し駆け上がり、、
息を切らし、
何故ここに来たのか、、
なんのために駆け上がっているのか、、
どこまで続けるのか、
分からなくなって、、
ただ多く水分になった人間になるのは、
嬉しい事だ、、
嬉しい時間に私はいる、
誰がこのまといを、
時間とのあいだに、作るのに長けていたのだろ、、
この冷たさがひそかに、
しかし確かな響きをもって私に伝える、、
あなたはよく走りなさい、、
ここで私は速度計、
メーターを眺め、灰がかる外景を眺め、
メーターを眺め、震動する手のひらの紋様と小さな本を眺め、、
この途中の、誰かも分からない道に、、
あたしも少し溶けて落ちているのかどうか、、
確かめ得る方法はないが、やや、ここの肌は、やわらかい・・・