<1902>「量と粒」

 道のなかに緒を引き、、

 私はその回転のなかに入った、、

 無劫で、

 どうにもとらえどころのない、、

 音が、かのほうで鳴っている、

 私は聞こえているのに、、

 なにだこの無音の場所は、とひとりほうっている、、

 なにという匂い、

 なにという力の蓄積は、、

 なにだ、

 ぶるぶると振るえて、

 ただ地に身体をのばしたまま、、

 私は指を静かに揺らした、

 地面のなかにこの運動の糸が漏れてゆく、、

 なにだ、なにか、、かたい、

 この黒い面のなかに混じり、、

 引かれていく音、

 すさまじい音をさせて潜る、潜るものら、、

 どこへ通じる、

 どこへ身体の流れを用意せしめる、、

 ふっ、

 、

 と息を吐き、、

 ここにあたる、、

 あたる肌の行方をいまに示せ、、

 ここから見よ、、

 私は静かに音もなくとけて、、

 この裾の方のやわらかさ、

 なにの歌でもない、、

 なにもこうちゃくした表現というのも言わないで、、

 ただ垂れたのだ、

 

 あたしからその肌を見留めて、

 ただ掴む、、

 これはもうてのひらとしか呼べないものに、

 上手く、混じり、消える、、

 その静かな液、、

 僅かにひとつ粒が立っただけなのだ、、

 それは、のち、、

 膨大な量のうねりになる、、

 わたしはそれにおそれをなすだろうか、、

 いやもう、

 溢れる前からずっとおそれているようにも思う、、

 のか、、

 これが盛り上がる、、

 こぶのできてくるのをここの手で受けて、、

 あたしは声にならない、

 静かにうねり、、

 その各所から出で来ては生まれる人、、

 あなたは誰だろう、、

 あなたはまるごと液なのだろうか、、

 ここに身体をつけ、

 滑り、潜り込む、、

 ひとつのうたいなのだろうか、、

 あたしは身体の粒なのだろうか、、

 水の上にひとつ立った、あれの、なにの・・・