<1923>「生まれたばかりでおそろしい」

 私のその足元、

 生命下、 に うずめられた日の香を嗅ぐ姿、

 嗅ぐ姿に、静かに移れ、、

 化物だな、

 化物のようにたくしこまれた姿へ今、

 当たり前の作用で移れ、

 とそう言う、、

 私はうなずきを返した、、

 決してただのびやかには、声を立てない、、

 誰かがふいに近付いてくる、、

 ほら、あたしのメッセージ、

 あたしの華やかな印たちとも言えるものが、、

 そこに幾らもきこえてくるらしい、、

 私は口をアけ、、

 身体のなかへ飛び込む、、

 じっと見詰めた生命下の、、

 肉の、日の便りだ、、

 私は読んだ、、

 この一字一字を、読んだ、、

 ただの紙はくしゃくしゃになり、ちぎれる、、

 私は声をあげる、、

 今私はここで初めて声を上げる、、

 その印が今はっきりと見えたのだ、、

 

 私は何故か、、

 二人の関係に溶けて行くことを、、

 病的に忌避している、、

 わたしは声をたいらにし、、

 あなたが溶けるのを防ぐ、、

 どこだ、どこ、どこから・・・

 あなたはどこかに通路を探り、、

 私の声は平板そのもの、、

 私の声のいつわりの音が、、

 今ひたすら耳に垂れて、、

 あなたの社会さ というものが、、

 流れるままにする、

 「あなたといると、私と、あなたと、ずっとひとりずつでどこまでも途方のない先まで、線がのびていてなにか疲れて仕様のないような、、なにか言ったらどうですか」

 あたしはその拒否を持っているだろうか、、

 それなのでどこまでもひらこうとするのだろうか、、

 周りの人が戸惑うばかりに、、

 あたしはそこへ生の線をおろそうとする、、

 まだ生まれたばかりで温かい、その線を、、

 「あなたはおそろしい日との混じり方を用意しています」

 なにだなにだろうそんな、、

 化物じみた表現のなかに私は住んでいない、、

 身体から熱を垂らしやしない、

 なにだ、ここは世界なのか、、

 良いもの悪いものなどといわずそれ、

 混じりたいだけ混じれ、、

 あたしはあたしでのびていくのだからね、、

 きこえてしかたない、、

 線に染みてくる水の数々、、

 あなたが離れたあと、、

 ここに含まれたものがどぶどぶと、、

 濁って生きてくるのが、

 きこえてしかたないと言うのだよ、、

 どこかその歩が入る、混じる、えい・・・